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Poron Poron


スペイン料理 堀江 心斎橋

Poron Poron

店舗詳細:http://www.whynotjapan.com/guide/poronporon/ja.htm

心斎橋でスペイン料理のランチをしようと思い、頭の中で地図を浮かべながら探していると、北堀江にたどり着いた。細い路地がいくつもあり、セレクトショップやおしゃれなカフェ、レストランや古い民家や病院、近代的なアパートとが健在する堀江はまるで迷路のようなエリアだ。

すると見覚えのある道に出た。左にFuturoがあった。僕が大阪で初めてライブをしたお店だ。その角をまがるとレストランバーのAbsinthe(※1)があって驚いた。この2軒のお店がそんなに近くにあったなんて知らなかった。

その角からすぐのところにPoron Poronがある。


ウッドデッキに立てかけられた看板には、いくつかランチメニューが書かれてあった。2種類のパスタ(ベーコンとオニオン&マッシュルーム)、ステーキ、そしてパエリアセット。

1時を過ぎていたので、もうランチには遅いからか2テーブルだけ埋まっていた。

店を入って左はバーカウンターとオープンキッチンになっていた。カウンターに置かれている骨付きのハモン・セラーノ(生ハム)が本場の雰囲気を漂わしている。


スタッフのアズサさんが英語でランチメニューについて説明してくれた。僕はパエリアセットとスペインビールEstrella Galliciaを注文した。パエリアセットは2人用だったらしく、一瞬しまったと思ったが、シェフが一人前で作ってくれると快く言ってくれた。

僕はノートを取り出し、路地を眺める前にまず冷たく冷えたビールを一口飲んだ。

向かい側にあるカフェはなかなか流行ってそうだ。少なくともEmily Dickinson愛読家が好みそうなお店だ。看板には、“Charkha − Tea & coffee, flower, stationery”と書かれてある。ハイクラスな古い東欧雑貨を扱っている店だとシェフが教えてくれた。

“壊れたハサミとかを3,000円で売ってるんだけど、味があるからそれでも人が買う。わかるだろ?”“わかるよ。ロシア人が龍安寺の石を好きなのと似ているね。それにしても食べ物はここの方がおいしそうだ。”シェフがフライパンをふるにつれ、ガーリックの香りが店内に漂ってきた。


スープが運ばれてきた。透き通った野菜スープに、大き目のカリフラワー、オニオン、にんじん、セロリなどが入ったやさしい味のミネストローネだ。シェフのBunnyと話しはじめた。インドやスイス、タイで過ごした話を完璧な英語で話す彼の出身を特定するのは難しい。仕事の話になり、“ビジネスはどう?”と聞くと“まあまあだよ。”といくぶん冷静と答える彼に“北堀江は大阪のグリニッジヴィレッジ(※2)みたいだよね?”とたずねた。

“そうだね。ただ、ここはちょっと人通りが少ないね。北堀江の中心からは歩いてすぐだけど、ここを知らない人はちょっと見つけにくいし、雨が降ると御堂筋の方からここまで歩こうと思わない。”小さなオリーブとチーズなどが入った皿が運ばれてきた時に、すぐ近くにあるAbsintheのお客とここのお客はかぶっているのかたずねてみた。彼は首を振って“ある意味ではかぶっているかもしれないけど、実際はそんなに競合していないよ。ここは完全にダイニングとワインがメインだし、Absintheはどちらかというとくつろげるバーとして人気だと思う。よくここでディナーした後に、Absintheで飲みながら話すという人もいるよ。”


パエリアがきて、冷めてきた残りのスープをそのままスプーンなしで飲み干したい気持ちをなんとか抑えた。パエリアは予想通り“本場”のスペインレストランで出てくるような、熱い鉄のプレートで底がカリッっと香ばしく焼けた本格的なパエリアだった。白のハウスワインをグラスで頼んだ。

Bunnyはすごくフレンドリーで、ついつい話に夢中になってしまったので他の日本人のお客さんに迷惑だったかなと心配したが、誰も気にしている様子はなかった。

話はどんどん広がっていった。僕は近くにあるSlices(※3)というピザ屋に行くと地元にあるような温かい雰囲気のお店を思い出すと話すとBunnyもお気に入りのカジュアルなカフェだと話し、話はタイソン対レノックス戦や国際線でベジタリアンメニューを頼む危険さにまで及んだ。


つい話が広がりすぎたので、ディナーメニューを見せてもらうことにした。

メニューの数に驚いた。タパスはもちろんいくつか珍しいアパタイザーもあった。パプリカとポークロインのフライ、フライドチーズポッパーなど。ピルピル?何だろう?という顔をした僕にBunnyは少し驚いて、“ピルピルはパエリアの次によく知られている代表的なスペイン料理だよ。エビやマッシュルームなどを鉄のフライパンでガーリックとオイルで調理するんだ。”Wow、なんだかおいしそうな感じだ。

パスタやメインのメニューを見てみた。ペンネアラビアータ、アマトリーチェ風パスタ、ジェノバ風パスタ、ポルチーニのクリームパスタなどすごく美味しそうなのばかりだ。メインはブイヤベース、ビーフランプ、いも豚プライムポークのポートソースなど。

ワインリストもしっかりしている。(スペイン、イタリア、フランスワインなど。でも詳しいことは聞かないでほしい。面倒くさがりの僕はいつもボトルワインじゃなくて500円の安いGotto d’oroをリカーマウンテンで買ってるから。)もちろんカクテルのメニューも充実していた。


おなかも膨れたので、手作りのピューレがかかったストロベリーアイスを食べようかと思ったが、自制心が働いた。いずれにせよもう2時になり人影も減ってきたし、なにより家に帰って宿題をしなければいけなかった。

Bunnyとアズサに別れを告げ、大きめの古いバッグを背負い心斎橋駅へと向かった。北堀江で遊ぶ時にまず一軒目に行きたいレストランとしてしっかり覚えておこうと思う。


(※1)Absintheは北堀江にある地中海フュージョン料理が楽しめるお店。ヨーロッパ各国で禁制されていたという蒸留酒Absintheや水タバコが楽しめる。

店舗詳細:http://www.whynotjapan.com/guide/absinthe/ja.htm


(※2)グリニッジヴィレッジ(Greenwich Village)とは、ニューヨーク市にある地区。18世紀風の古いレンガ作りの街並みに個性的なレストランやカフェ、ナイトクラブがあることで知られており、ニューヨークで一番おしゃれだといわれているスポット。19世紀初旬から有名作家や芸術家が多く移り住み、今でも有名な劇場やジャズクラブが多く残っている。


(※3)Slicesはアメリカ村にある1スライスからオーダーできるピザが人気のカフェバー。カナダ人オーナーが作るピザは本格的なのにリーズナブル。昼はカフェ、夜はバーとしても使えるお店。

店舗詳細:http://www.whynotjapan.com/guide/slices-ja.htm

 

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