ブロークン英語でOK?英語上達に文法の学習は必要?を検証

近年よく耳にする『文法を気にせず英語を話しましょう』という言葉。これって実際のところ本当なのでしょうか?英語を話すのに文法はどこまで必要なのかどうかを検証してみましょう。

“This is a pen.” なんてフレーズを実生活で使ったことある?

中学1年生の英語の教科書で最初の方に習う例文である、This is a pen.。そんなフレーズを誰かが実際に口にするのを耳にしたことはありますか?ないと答える方がほとんどではないでしょうか?それなのに、おかしな例文は続きます。A:“Is this a dog?” B:”No, this is a cat.”…どんな会話やねん?、一体どうい状況やねん?、犬に見える猫ってどんな猫やねん?と、関西人でなくとも思わず関西弁で教科書に突っ込んでしまいたくなります。そんな突っ込みどころ満載の英語の教科書(正確には、文法の例文)ですが、これが決して軽視できないのです。なぜなら、一見バカらしく感じられる例文は、英語の初心者に文法を分かりやすく説明するためにあるからなのです。

もし文法を知らなかったら…?

もし、英文法を知らなかったら、英語は日本語と異なって主語の次に動詞が来ることさえ分かりません。そうすると、「これはペンです。」と相手に伝えたくても、This is a pen.という簡単な一文にすることすらできないのです。もちろん、困ったときの必殺の指差し攻撃と、ペンという単語で相手に言いたいことを伝えることは可能でしょう。「明日雨が降るでしょう。」と伝えたかったら、 tomorrow、 rainのふたつの単語を並べるだけで意味をくみ取ってもらえるかもしれません。でも、みなさんが目指しているのは、そのようなブロークンな英語の話し手でしょうか?1年後も5年後も、ブロークンな英語で構わないというなら話は別です。しかし、英語を学習する限りは少しずつでも上達したいですよね?

やはり最後は文法の知識と語彙力

以前、著者の知人がある人について、このように言っていました。「AさんはTOEFL●点を取っているけど、会話するのに点数なんて関係ないよね?」著者はこの発言に驚きました。Aさんは英語を流暢に話すし、ESLがないアメリカの大学に留学していた経験がありました。方や知人は、Aさんほど話せず、TOEFLの成績もAさんにははるかに及ばず。口には出さなかったものの、「TOEFLの点数が関係ないと偉そうに言うには、自分も同じ点数(もしくは、それ以上の点数)を取ってから言うべきなのでは?」と、心の中で突っ込んでおきました。要するに何が言いたいかというと、普段から英語をこつこつ勉強していて、文法の知識だけでなく語彙力もある人は、やはり最後はそれらが強みになるということです。TOEFLやTOEICの点数、英検がすべてではありません。しかし、英語の理解度や習熟度の目安にはなります。

文法を覚えれば英語が話せるわけではないけれど…

では、英語の教科書に載っている文法を丸暗記すれば英語が話せるようになるかと言えば、そういうわけではありません。しかし、長い目で見たときに、英語を話す際に文法は避けて通れません。それに、文法はやはり役に立ちますし、助けてくれます。文法の重要性は、英語を話す目的や目標でも変わります。実際に英語圏で生活したときに、行政・雑務処理をしたり、職場でも問題なく業務が行えるようになりたければ、文法が必須なのは言うまでもありません。ビジネス英語が必要とされる職場では、ブロークンな英語と指差し戦法ではお話になりません。

おわりに

いくら文法が大切だからといって、文法にガチガチに縛られて話すのをためらうのは本末転倒です。しかし、わたちたち日本人が外国語である英語を学ぶ際は、やはり文法は基礎。決してないがしろにはできません。文法を学んで損になることは絶対にありませんから。最初からペラペラと英語が話せる人はそういません。重要なのは、最初は片言でも文法が完璧でなくても構わないという点。失敗しながらでも場数を踏むことで慣れていくし、そのときにしっかり学んだ文法も生かされるはずです。文法を学んだ人は、将来英語が話せる要素(下地)があるということです。それに、たかがThis is a pen.、されどThis is a pen.なんですよ。今や時の人であるピコ太郎さんは、This is a pen.でお馴染みの『PPAP』で世界的有名に。やはり基礎は大事、簡単な英文でも侮れないな!と、深く考えさせられた著者でした。

written by: Olivia

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