誰もが避けて通れない?!外国語にまつわる失敗エピソード

どんな願いも叶えてくれるドラえもん。ドラえもんの四次元ポケットから出てくる秘密の道具に、『ほんにゃくこんにゃく』というものがあるのをご存知でしょうか?これを食べると、自分が話す言葉が相手の言葉に翻訳され、意思の疎通が図れるというもの。そんな夢のような道具があればいいと思ったことはありませんか?

ところが現実は、語学を問題なく操られるようになるにはコツコツ学習するしかありません。流暢な話し手のあの人も、この人も、生まれつきのバイリンガルでもない限りは、最初から外国語がペラペラということはありません。みんな、何度も失敗を繰り返してきたのです。

そこで今回は、外国語を話したり、海外で生活する方々に、外国語にまつわる失敗談の数々を聞いてまとめてみました。

大きな勘違い編
  • オーストラリアに渡って間もなくのこと。カフェでサンドイッチをオーダーしようとしたら、メニューボードに書かれていた単語がよく理解できなかったが、『eggplant』を注文。Eggというからには、てっきり卵をどうにか調理したものだろうと思っていた。しかし、出てきたサンドイッチには茄子がそのまま挟まっていた。そう、『eggplant』はeggと付くけど、茄子だったのだ。
  • イタリア旅行にて。イタリア語はRの発音を嫌味なぐらい舌を巻いて発音すると友人に教えられたMは、そのことで頭が一杯に。初日に朝食を食べたレストランを去るとき、さよならと挨拶するつもりで大声で”Por favor!”と言って店を出た。後で、”Por favor!”は、『どうぞ』の意味で、さよならは、”Arrivederci!”だと思い出して恥ずかしくなった。
  • アメリカのジョージア州でホームステイしていたN。ステイ先のホストファミリーと車に乗っていたときのこと。ホストマザーが後続車の運転手に対して、”That Lady is having a cow.”と言ったのを聞いたNは、助手席からバックミラーを凝視して牛の姿を探した。同乗していた子供たちに、「本当に牛が乗っていると思ったの?」と大笑いされてしまった。後に、『have a cow』には、『怒っている』という意味があると教えられた。
  • イギリスのスーパーマーケットで会計時に店員が、”It is raining cats and dog.”と話し掛けてきた。意味がよく理解できず、てっきり通りで犬猫が走り回っているのか?と思って外を見たら、大雨が降っていた。rain cats and dogsは、『土砂降りの雨が降る』の意味なのです。
  • アメリカ人の友人がある共通の知り合いのことを、”He has no class.”と言った。「え?あの人もう60歳過ぎているのに、今学校に通ってるの?」と訊き返すと、友人はポカーンとした表情になった。『have no class』が、『品がない』という意味だとその時知った。
  • 80年代。歌手のマドンナの歌『Like a Virgin』は、処女が好きなおっさんのことを歌った曲だと勘違いしていた。「なんか、変態ちっくな曲よね」と友人に言ったら、怪訝な顔をされた。『Like a Virgin』は、『処女のように』の意味だと教えられた。また、ボンジョヴィの歌『Born To Be My Baby』を勘違いして、「俺の子供を産んでくれ!って、ちょっと直接的過ぎると思わん?」と友人に言ったら、大爆笑された。『born to be~』は『~するために生まれた』だということを知らなかった。Born To Be My Babyは、(お前は)俺の女になるために生まれてきたんだ、という意味です。
  • アメリカに暮らすAは、職場で同僚たちと大統領選挙の話をしていた。『選挙』と発音するたびに、同僚たちが笑いをかみ殺してるのに気付いた。Aは『election(選挙)』のつもりで、ずっと『erection(勃起)』 と言っていたのを教えられて赤面した。
  • アメリカ人の友人に、来年の予定を尋ねられたR。就職活動をすると伝えようとして、”I will be busy with hunting jobs.”と言ったら、大笑いされた。正しくは、職探しをするは、『job hunting』の間違いで、『hunting jobs』だと、まるで草原に『仕事』が動物のように動いていて、それを猟銃で狩るようなイメージだと説明された。

語彙力やイディオム、スラングの知識に関しては、外国語の初心者でなくとも、外国語学習者ならずっと付いて回る課題です。特にイディオムやスラングは、数をこなして、その都度覚えていくしかないようです。意味を勘違いしていたと分かると恥ずかしいものですが、その分しっかり記憶に残るのには間違いありません。また、今回ここでご紹介したように後々笑い話となって、恥ずかしい体験もきっと浮かばれるはず。そう考えると、語学の失敗は旅行や海外生活の醍醐味とも言えるのではないでしょうか?

なぜ、通じない?編
  • アメリカのマクドナルドにて。コンボ(バリューメニュー)をオーダーするさいに、ポテトかサラダを選択できたので、サラダを注文。しかし、出てきたのは、なぜかコンボと、別に大きなチキンが上に載ったサラダ単品だった。困惑しつつ、お会計を済ました。ちなみにそのサラダは、コンボとほぼ同額だった。後で会話の内容を思い出してみたところ、オーダー途中で店員がチキンの種類や焼き具合などを詳しく訊いてきたような気がした。ポジティブ思考のIは、「セットに付いてるサラダなのに、チキンが乗ってるなんて豪華!」と勘違いしていたことが判明。
  • アメリカ旅行で某米系航空会社に乗ったK。キャビンアテンダントにコーヒーを注文するさいに、発音に細心の注意を払って意識をしながら、「カフィ」と言った。ところが、なぜかオレンジジュースが出てきた。違うと訴えることもできず、離れていくキャビンアテンダントの後ろ姿をただただ見つめるしかなかった。
  • インドネシア行の飛行機で。機内食でチキンをオーダーしたつもりが、実はシーフードだったJ。中に入っていた魚をチキンと思って食べていた。隣に座っていたJの友人は、「機内食はビーフとシーフードしかないのに、なぜチキンを頼んだのだろう?」と思っていたらしい。にも関わらず、キャビンアテンダントも訂正せず、そのまま何も言わずにシーチキンを提供。「このチキン、なんかチキンっぽくないんやけど…?」と言いながら食べるJ。友人に突っ込まれるまで、Jは自分の間違いに気付いていなかった。
  • カナダにホームステイ中での珍事。日本食が恋しくなったMはスーパーに行き、店員に豆腐がどこに置いてあるか尋ねた。案内されたのは、なぜかドッグフード売り場。大いに困惑したM。どうやら彼女の豆腐の発音が、店員にはドッグフードに聞こえたらしい(恐らく、豆腐の『トー』の部分にアクセントを付けて、『トーフー』と発音したと推測される)。それとも、当時(約30年前)カナダでは、豆腐は犬が食べるものだと認識されていたのか???
  • 初めての海外旅行がアメリカだったA。サンタモニカのマクドナルドでコンボ(バリューメニュー)を注文した。すると、なぜか同じコンボがふたつ出てきた。注文したコンボの番号が2番だったので、どこをどうなったのかは謎だが、店員が2番をふたつと勘違いしたようだと分かった。

聞き込みをして分かったことは、食べ物に関する失敗ネタが多かったことです。発音の仕方や、イントネーション、注文の仕方次第で想像の斜め上を行く結果になってしまうようですね。しかも、場所も高級なレストランではなくファストフード店や機内など、一見難度が低そうに思える場所で、まさかの失敗・珍事に遭遇してしまうことが少なくないようです。食べ物の注文は、語学初心者には案外難しいのかもしれません。

そして、日本人に共通している点は、自分の注文したものと異なるものが提供されても、大人しく諦める人が多いことです。相手の非を責めるより、「自分の語学力が足りなかった」と、反省してしまうのです。控えめで謙虚な国民性が出ていますね。さらなるトラブルを避けるために、「自分が諦めれば場は収まる」と、言い聞かせる人もいることも考えられます。確かに、外国で慣れない外国語でクレームを入れたり交渉するのは気力を要するものです。

しかし、例えばアメリカでは、店員が間違いをするのは日常茶飯事。注文した内容が正しいか、ものが揃っているか確認するのは、自己責任でもあります。著者は先日ファストフード店のドライブスルーでコンボを注文したところ、ちゃっかり(?)ポテトが入っておらず、また店までとんぼ返りする羽目になりました。店員もよくあることなのか、あまり悪びれていない様子でした。ですので、注文したものと別の物が出てきたら、気を遣わずに勇気を出して言いましょう!

photo by:https://www.flickr.com/photos/84744710@N06/8603285951/

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