【世界のお酒の事情】桜の季節が来るたびに思うことは?

日本は現在、桜前線真っ只中といったところでしょうか?桜といえば、日本人が連想するのはやはりお花見でしょう。アメリカ暮らしも長くなると、桜の季節が来るたびに思うことがあります。それは、お花見など公の場で宴会ができるなんて日本は素晴らしい!ということです。これは、在米日本人だけでなく、以前日本に住んでいたアメリカ人も口を揃えて言っています。

アメリカは自由の国っていうけれど…

アメリカ人は自由を愛し、自由のためなら戦うことも厭いません。そんなに自由を支持するなら、飲酒に関しても寛容なのではないかと思っていたら、大間違いです。宗教的な理由がある中東を除けば、アメリカは飲酒については最も厳しい国のひとつだと言えます。まず、飲酒が許される年齢が21歳なのは有名な話ですね。日本の20歳、ヨーロッパ諸国の16~18歳と比べると、21歳は遅い気がします。そして、お酒の購入については、州によって法律が異なります。例えば、ペンシルバニア州では、州がお酒の販売をコントロールしています。従って、お酒を入手するには州のライセンスを持った店に行かなければならず、スーパーやコンビニでは購入出来ません。オハイオ州では、日曜の午前中のアルコール類の販売を禁止されています。アメリカ人はバーベキューが大好きです。しかし、オハイオ州の住民が日曜の昼からバーベキューでお酒を楽しむには、前日から用意周到でなければならないのです。日本では、明け方まで開いているバーや飲み屋がありますが、アメリカでは午後2時以降のお酒の販売が禁止されている州も。バーやクラブは午前2時で閉まるのはそのわけです。それだけ厳しいのですから、もちろん日本のようにお酒の自動販売機もありません。

日系アメリカ人が髭を生やしている人が多いのは

日本でお酒をオーダーするときに、身分証明書の提示を求められたことがありますか?ちなみに、覚えている限りでは、著者は一度もありません。さすがに、いかにも小学生や中学生にしか見えないとなれば、日本といえども店もアルコールを販売しないでしょう。しかし、年相応に見られるのであれば、お酒の購入に身分証明書が必要だった人は少ないのではないでしょうか?アメリカは違います。厳しいのです。特に、どうしても若く見られがちなアジア人に対しては。20代も前半ならまだ話は分かるのです。しかし、三十路を越しても、四十路を越しても写真付きの身分証明書の提示を求められるアジア人は珍しくありません。知っている日系アメリカ人に髭を生やしている男性がわりといるのですが、理由を尋ねると、「若造に見られると相手になめられるから」と言っていたのを思い出しました。仕事上の話だけでなく、そういった事情もあるのかも知れません。

若く見られすぎて、恐縮してしまう

アメリカでは年を重ねるごとに、「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。ご冗談でしょ?この私のどこが21歳以下に見えますか?」と、思わず「日本ではそんなに若く見られるなんてありえないし、なんだかなんちゃって未成年みたいで申し訳ない」と、若く見られることが嬉しいような悲しいような複雑な気分になってしまいます。ところが、ニューヨーク州では、年齢に関係なく身分証明書が必要だとか。たとえ90歳の白髪の皺しわの、どう見ても未成年じゃない老人でもです。ある意味、公平と言えば公平ですが、融通が全く利かないのもいかがなものかと思いますね。

ヨーロッパのコンビニで

アメリカからデンマーク旅行に行ったNさんの話です。Nさんはコンビニでビールを購入するときに、アメリカにいるときのように、いつもの調子で身分証明書が必要だと信じ込んでいました。パスポートをレジで見せると、レジ担当者は「はぁ?」と困惑気味。身分証明書なしでもアルコールを入手できるのなら、外国人に急にレジでパスポートを見せられて、そのレジ担当者はさぞ驚いたことでしょう。Nさんは、「ああ、ここはアメリカではなかったな!」と、しみじみ実感したといいます。

アメリカでの花見は、なにかが物足りない

そして、アメリカへ来るすべての人が忘れてはいけない注意事項。それは、公共の場での飲酒が禁じられているということです。日本にいる感覚で、公園でバーベキューしながらとか、ビーチで寝そべりながらお酒を楽しむなんてもってのほかです。さすがに逮捕まではいかないにしても、警察に厳重注意を受けること必至です。戸外で宴会が出来る日本、それどころか、電車などの公共交通機関での飲酒も許されている(他人の目はともかくとして…)日本は、なかなか特殊とも唯一無二の国とも言えます。そんな訳で、在米日本人や元在日アメリカ人たちは口を揃えて、「日本は自由だったな~」と懐かしむのでした。『自由』と一言で言っても、いろいろな意味合いがあるとは言え、本当の自由ってなんだ?と考えさせられますね。それでは、日本にいるみなさんは海外にいる日本人の分まで、桜の木の下でお花見を存分に楽しんでくださいね!

written by: Olivia

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