【国際結婚】国際結婚で誤解されがちなこと:滞在許可編

著者は幼少のころ、パスポートさえあれば、どこの国にでも好きなだけ滞在できるものだと思っていました。ビザの存在なんて知る由もなし。みなさんは、どうでしたか?現実は、なかなかシビアです。今回は、国際結婚で誤解されがちな、海外で生活するために必要不可欠な滞在許可書についてお話したいと思います。

国際結婚すると自動的に永住権や配偶者ビザが与えられる?

そうだったらいいんですけどね~。残念ながら、そんな夢のような話はありません。国際結婚の届け出をしてただ待っていても、誰も(どの国の政府も)親切丁寧にわざわざ自宅まで永住権や配偶者ビザを送ってくれるわけではありません。国際結婚の場合、結婚後に更に面倒なことが待ち受けていたりするのです。永住権や配偶者ビザの手続き方法や条件は国によって異なります。しかし、ひとつはっきりしているのは、どの国の移民局も申請に多くの種類の書類や多額の申請料を求めてくること。近年では、多くの国が移民・難民問題に直面していることに加え、テロなどの治安の問題からも、各国が諸手を挙げて外国人を歓迎していないことを痛感させられます。

  • アメリカの永住権申請事情

たとえば、アメリカの永住権の申請には各種書類の他、指紋採取、指定の病院での健康診断、面接が求められています。また、パートナーであるアメリカ人の最低年収が定められています。何かあったときに、外国人が容易に福祉の世話にならないようにするためだそうです。日本でもここ最近、外国人への生活保護支給が問題になっていますが、アメリカはあくまでも市民優先です。では、パートナーが学生や無職で収入がないの場合はどうするのかというと、連帯保証人が必要となります。ちなみに、永住権の申請料は年々上がっています。アメリカ政府が外国人の足元を見ているとしか思えません。アメリカ政府にとっては、立派な『移民ビジネス』であり、ビザ・永住権申請料は貴重な資金源。しかし、外国人が外国に住まわせてもらうというのはそういうこと。「誰も住んでくれと頼んだ覚えはない!」「気に入らないのなら住むな!」といったところなんでしょう。外国人は立場が弱いと実感せずにいられませんね。

ヨーロッパではどうなっているのか?

知人から聞いた話では、イギリスやデンマークなどのヨーロッパ諸国でも、配偶者ビザや永住権の取得条件が年々厳しくなっているようです。イギリスでは、配偶者であるイギリス人の年収が(その当時で)£18,600以上(約260万円)が必須とか、政府が定めた試験に合格する必要があるんだとか。デンマークでも、デンマークに関する問題とデンマーク語に関する問題からなる移民テスト(口頭試験もあり)に合格する必要があったり、10万クローネ(約160万円)を保証金として銀行に収めることが当時求められたのだとか。その他にも諸々の条件が。社会福祉が手厚い国では、それが目当ての移民や偽装結婚者を防ぐために、なにかと条件が厳しくなる傾向があるのかもしれませんね。

貧乏人は国際結婚するべからず?!

確かに国際結婚はなにかとお金が掛かるとはいえ、なんだかどこの国も、『貧乏人は外国人と結婚するな!』と暗に言っているのと同然のような気がしますね。このまま行くと、そのうち国際結婚は高額所得者と高学歴者のみの特権になりそうで、なんだか恐ろしいです。ちなみに、ヨーロッパ諸国では厳しい条件のために夫婦であっても離れ離れ…ということも珍しくないようで、対策としてEU加盟国出身者対象の『EUルール』を駆使するカップルもいるようです(興味のある方は、調べてみてください)。

おわりに

自身や親が移民でもない限り、普通に母国に暮らしてきたパートナーにとっては永住権や配偶者ビザの申請は未知の世界です。申請について色々調べ始めて、やることの多さに圧倒されたり嫌気がさすのも当然のことでしょう。かといって、面倒なことを後回しにされても困りますよね。婚姻を通しての永住権や配偶者ビザは、『移住予定の国出身のパートナーから申請』が基本です。パートナーが親身になってくれないと、ことは前に進みません。これはふたりの愛情や絆を試す試練でもあります。滞在許可が取得出来た暁には、ふたりの仲は一層深まっているはず。それを目指して、なるべく前向きに取り組むことをお勧めします。

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written by: Olivia
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