命がけ!?巷でよく聞くブラックフライデーってなに?

近年、日本国内でもチラホラと耳にするようになった【ブラックフライデー】という言葉。ブラックフライデーが一体何なのかよくわからない人もまだ多いかと思います。そこで、今回はアメリカ発祥のブラックフライデーについてご紹介します。

ブラックフライデーで欲しいものを驚異の割引価格でゲット!

ブラックフライデーはアメリカの祝日サンクスギビングデーの翌日に行われる全米規模の小売店の大きなセールです。サンクスギビングデーは11月の第4木曜日と決まっており、その翌日の金曜日がブラックフライデーに当たります。ブラックフライデーを機に企業のクリスマス商戦が開始します。

ブラックフライデーにはブラックと付いていますが、日本で言われているような(ブラック企業など)ネガティブな意味合いはありません。なぜならここでのブラックは黒字のことだから。ブラックフライデーは小売業界にとっては勝負の日。笑いが止まらないぐらいの利益を得ることも可能なのです。

ブラックフライデーには企業だけではなく消費者にとっても欲しいものが非常に低価格で手に入る、WIN-WINの構図があります。その割引率は驚異的です。ちょっと割引どころではありません。

たとえば、ウォールマートでは今年のブラックフライデーのお値打ち品としてシャープの55インチの4Kテレビを298ドルで、プレイステーション4のゲーム機本体を199ドルで販売する予定です。ブラックフライデーは消費好きのアメリカ人の気質を小売業界が上手に利用したイベントだと言えるでしょう。

ブラックフライデーのセールには命がけで臨むべし?!

超目玉品を入手できるブラックフライデーは、買い物好きにはたまらない特別な日です。しかし、また同時にブラックフライデーは命に危険が及ぶ可能性がある恐ろしい日でもあります。例えるなら、ブラックフライデーの小売店はまるで戦場そのもの。物欲は時に人を異様に興奮させ、行動を抑制することができない状態にしてしまうようです。

毎年テレビのニュースで流れるブラックフライデーの『暴力(暴徒)と混乱(阿鼻叫喚地獄絵図)』の様子は、もはやこの時期の風物詩。特に小売店のウォールマートは、不名誉にもこの分野では他社を寄せ付けない事件発生率の高さを誇っています。

常識のある人たちならその様子を見てドン引きすること必至でしょう。私欲が理性を軽く上回っているからです。テレビやパソコン、プレイステーションにここまで熱くなれるのか摩訶不思議です。その熱意をどこか他の場所で有意義に使えたらいいのにとすら思わずにはいられません。ブラックフライデーの狂気をニュースで観るたび著者は旦那と一緒に『アホやなあ…』と呆れると同時に、『アメリカ人の民度って一体…』と考えさせられます。

ウォールマートで暴徒と化すタイプの人たちは、災害などの有事の際に限りある物資を奪い合うのだろうか?などと薄ら寒い気持ちになるのを否めません。それになによりも、いくら超お買い得品があるからとはいえ、逮捕されたり命を落としたら元も子もありませんよね。

もはやコントロール不可能?!信じられない事件の数々

さて、それでは実際に過去にブラックフライデーにどんな事件があったかを一部ご紹介しましょう。

    • 2008年にはニューヨーク州のヴァリーストリームにあるウォールマートで開店時に外で待っていた約2000人の客が入口の扉に殺到。ドアが倒れて下敷きになった34歳の男性職員が群衆に踏まれて死亡。他の職員がこの男性職員を救出しようとしたが、客は『寒い中長時間待っていたため、これ以上待たされるのは耐えられない』ことを理由に協力を拒否。警察到着後も客は入口から雪崩のように入店していたという。
    • 2010年にはジョージア州のトイザらスのボランティア職員が万引き犯に刺された。
    • 2010年にはフロリダ州のウォールマートで男性客がドラッグと凶器の違法所持で逮捕された。この男性が拳銃を持って列に並んでいるのを他の客が気付き警察に通報。他にも2本のナイフとペッパースプレーを隠し持っていた。
    • 2011年にはカリフォルニア州ポーターランチのウォールマートで女性客がペッパースプレーを使用して20人の客を怪我させたとして逮捕された。この女性のお目当ての商品はX Box 360で、他の客が列に割り込みしようとしたのでペッパースプレーを噴射したという。女性は2人の子供を連れていた。
    • 2011年にはウエストヴァージニア州サウスチャールストンのターゲットで61歳の薬剤師の男性が体調不良で倒れたが、それを目にした他の客たちは気に留めることもなく素通りした。たまたまその場に居合わせた非番の救急救命士と看護師が心肺蘇生術を試みるも、男性は亡くなってしまった。

ブラックフライデーの問題点

消費者にとってはありがたいイベントであるブラックフライデーですが、暴力沙汰以外にも様々な問題が指摘されています。そのひとつが、小売店の従業員たちにかなりの精神的・肉体的な負担が掛かることです。以前はブラックフライデーのセール開始はサンクスギビングデーの翌日でした。サンクスギビングデー当日は閉店していたり、時間短縮営業している小売店も少なくありませんでした。

ところが、ブラックフライデーセールの熱は年々高まり、この日大きな売り上げを望めることに味をしめた企業が、こぞってセールをサンクスギビングデーの当日に開始。いつしかそれが当然のようになってしまいました。

現在では著名な小売店はサンクスギビングデーの夕方5時や6時からセールを始め、結果として従業員の勤務時間が長くなっています。サンクスギビングデーに働くように企業からのプレッシャーもあるようです。本来ならサンクスギビングデーは家族とゆっくり過ごす祝日です。ところが、小売店勤務の従業員にとってはゆっくり過ごすどころか、今や一年で最も忙しい日となってしまいました。

最後に

日本でも近年では、イオンやトイザらスなどがブラックフライデーのセールを行っていると聞いています。しかし、それらに便乗する小売店はまだまだ少ないようですね。クリスマスよりお正月、年始のセールの方がより重要視されている日本では、ブラックフライデーはなかなか定着し辛いのかも知れません。

買い物好きの人にとってはブラックフライデーは見逃せないイベントですので、あえてこの時期にアメリカへ旅行するのもいいかも知れません。アウトレットへの送迎が付いているツアーなどもあるようなので、車がない観光客でもショッピングが堪能できそうです。ただし、ブラックフライデーにお目当てのセールに開店前から並んで参戦する方は、くれぐれも安全第一を心掛けて下さいね。間違っても体格が良く気が強いアメリカ人と戦おう(?)などと思わないように!怪我をしたら本当に洒落になりませんので。

Written by: Olivia

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